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2008年7月 3日 (木)

隠蔽捜査2果断」今野敏

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現在超売れっ子の作家今野敏の「隠蔽捜査2果断」を友人の高橋さんが貸して下しました。

この本は前作「隠蔽捜査」の続編に当たります。

前回は(今回も)主人公竜崎伸也東大法学部出のエリートで所謂キャリア組。順調に出世街道を駆け上がり、警察庁長官官房の総務課長の要職。難事件を解決、あやふく警察内部の隠蔽を起こす寸前に竜崎の思い切った決断で間違いを回避。警察の失態を免れた事件の顛末が面白く描かれていました。しかし、一方で息子の犯した不祥事(麻薬所持)を正直に申し出て、その責任を問われ、大森署長に左遷、降格を余儀なくされます。

今回の作品「隠蔽捜査2果断」はその続編と言えます。大森署に着任するものの毎日山のように積み重ねて持ち込まれる決済に判子を押す仕事にウンザリす日日。

そんな折り、大森署管内で消費者金融強盗事件が起こります。キンバイ(緊急配備)をひく中で2人は確保するものの1人に逃げられます。しかも、犯人は拳銃を所持し実弾も10発持っている事が判明します。

その犯人は小料理屋に主人夫婦を人質に取り立て籠もります。大森署は警視庁の応援を受け、小料理屋を取り囲み、説得工作を続けます。

現場には突撃の訓練を積んだSAT(サット)も駆けつけます。万一の場合には突撃も辞さない構えをひきます。

現場で指揮を執る竜崎伸也署長は犯人から撃ち込まれた4発目の銃弾を見てSATの突撃を決断します。人質は無事救出、犯人は射殺。閉じこもっていた小料理屋に残っていた拳銃には実弾は残っていなかった。すまり実弾は4発しか入っていなかった事になります。下した決断は間違いのない判断とするもののマスコミと世間の風当たりは強くなり、警察内部の審査が始まります・・・。

折しも竜崎署長の妻冴子が胃に激痛、救急車で運ばれ警察病院に入院、検査の結果が頭を痛める、娘の就職活動、浪人中の息子の将来、等々家庭に悩みを抱えながらの待ったなしの捜査の仕事。

主人公の竜崎伸也と言う人は希にみる真正直で曲がった事が大嫌いな人物、上司に諂う(へつらう)事がなく部下を殊更に虐める事もない我々からみると極々真っ当な人物。しかし、警察内では変人扱い。ご本人はそんな事は全く無頓着。つまり大物です。

兎角最近の警察官、不祥事が多すぎます。問題が続出しています。極悪犯罪者顔負けの事件を起こしたり、警察内部の事件をもみ消したり、北海道警察の裏金作りがばれて、それこそ隠蔽工作をしたり評判は悪すぎます。

従って我々が警察を見る場合、ついつい、皆んな国家犯罪集団に見えてしまいますが、こんな人は、ほんの一部で、真面目に国民の財産と生命を守る使命に命を掛けて任務を遂行せいている警察官がほとんどだと思います。

学校の先生にしても、最近の先生は質が落ち、教え子に不埒な行為を犯したりして、こっちも評価を落としています。迷惑な話です。そんな先生は極く一部に限られ、大部分の先生は真面目に職責を果たしています。

同じ事が警察官にも言えますが、学校の先生を見れば痴漢に見え、警察官を見れば何奴(どいつ)も此奴(こいつ)も泥棒に見える昨今の風潮は本来異常です。

竜崎のような普通の警察官が特別目立ってしまうのも可笑しな現象ですが、物語は最後思わぬ展開でどんでん返しが用意されています。面白さ抜群です。

作家の今野さんは北海道の三笠市の出身、まだ50歳そこその脂の乗り切った作家です。「隠蔽捜査」今回が第2弾、これから続いて第3弾、第4弾とシリーズは続きそうです。益々楽しみな作家です。東野圭吾さん共々注目の作家の一人です。

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